2020年1月14日版

 先日、男性経営者のお客様をご案内して、「商売繁盛」のご利益(りやく)で知られる「京都ゑ(え)びす神社」の「十日ゑびす大祭」を、参詣(さんけい)してきましたよ。

 京都の風物詩として知られる、新年の恒例行事であり、8日から始まって、10日の本祭を経て11日まで開かれた後、12日には「のこり福」も・・・(「のこり福」とは、うっかりお詣りを忘れた人々が、あわてて駆け込んでもギリギリ間に合うように、オマケで追加される最終日のこと)

 ちなみに、謙虚な(?)私は、(お客様のご案内が入らない年は)いつも、「私のような未熟者には、ゑびす様(えべっさん)が皆様に分け与えた後に残った、わずかな福だけをいただければ充分」と、わざわざ「のこり福」の日を選んで参詣するんですよ(笑)。


 さて、「八坂神社」を正面に見る四条通りから、歌舞伎の「南座」を過ぎた先で「建仁寺」(けんにんじ)方面に右折し、500mほど続く賑やかな露店街を南下すると、右手に「京都ゑびす神社」の鳥居が見えてきます。

 露店には、「こぼれ梅」「干柿」「福飴」など、素朴な食べ物たちが並んでおり、思わずニッコリ・・・




 やがて、目指す神社に到着してみると・・・本殿にお参りする人々の並びが、鳥居の外にまで延びる光景に仰天!! (゚o゚;)

 あまり時間が無く、先を急いでいる我々は、「お参りは本殿のナナメ横から、お賽銭箱に投げ入れる形で済ませましょうか (;^ω^) 」と、長蛇の列を横目に見ながら、境内に突入。




 人混みをかき分けながら、お賽銭箱の横手まで進軍した我々でしたが・・・

 同行の社長さんは、「ありゃ!? たまたま、お財布に適当な小銭が無くて、1万円札か、1円玉しか入っておりません!!(涙)」と、10秒間ほど悩まれた後に・・・

 意を決して「ええい!!」と叫び、「申し訳ございません」と泣き顔でつぶやきながら、「1円玉」を投げ入れておられました・・・社長さんとは言えども、商売繁盛の神様にお願いに来るほどですから、どうやら、会社の経営が大ピンチで、かなり困窮なさっている模様・・・ (>ω<。)


 なお、かつて神主さんに教わった基礎知識によると・・・一般的な「神道」では、「お賽銭の金額」と「いただけるご利益」との間に比例関係は存在せず、「ご利益」は「信心の強さ」に比例するのだそうですよ。その場合、「信心の強さ」は「神様にお祈りする回数」で判断することができるため、「年に一度だけ神社に詣でて賽銭箱に1万円を入れる人」よりも、「いちいち賽銭は入れないが毎日何度も神様に祈りを捧げている人」の方が、はるかにご利益が大きくなるとのこと・・・(だから、ここぞという時の「お百度参り」が、絶大なご利益として珍重されるわけですね)

 実は、お賽銭箱に向かいながら、私が社長さんに、この話をしてしまったのです・・・そのため、社長さんは、「1万円でも1円でも、ご利益に差が無いのなら」と、理性的に損得勘定をして、「1円玉」の方を選ばれたのかも・・・「さすがは、経理出身!!」と、ひたすら感心する私でした・・・ (;^ω^)


 ちなみに、小心者の私はと言えば・・・お財布の中には、1円玉、5円玉、10円玉、100円玉、500円玉、1000円札、5000円札、10000円札と、たまたま、すべての貨幣が存在していたのですが・・・「お賽銭をケチって、神様からガッカリされたら困るなぁ」と、ついビクビクしてしまい(涙)、「お叱りを受けない程度の、まあまあの金額」として、「500円玉」を奉納しておきました(笑)。

 あわてて弁解しておきますと・・・最初は、迷わず「1000円札」を取り出したのですが、なにしろ遠方から投げ入れるため、「賽銭箱まで飛ばずに途中で落下し、誰かに盗られてしまってはイカン」と気づいて、飛距離を計算しやすい「500円玉」に変更したというわけです(笑)。




 境内には、「商売繁盛で笹持って来い!」という有名な「かけ声」が響き渡り、コテコテに派手な印象・・・しかし、ここは「商売の神様」として知られるわけですから、いかにも「商売(マーケティング)上手」な感じであるほど、参詣者も納得できるんですよねぇ、これが・・・

 つまり、「あの神社は、金儲け主義だからキライ!」なんていう、しばしば耳にする批判の言葉が、「ゑびす神社」に対しては、根本的に成立しないんですよ・・・大学教授時代から経営学者であり、今でも現役の経営コンサルタントである私から見ると、「ゑびす様」は、まさに、「同業(経営学・商学)の偉大な大先輩」でいらっしゃるわけですね(笑)。


 そう言えば、かつて私は、カウンセリングにおいでになったお客様から、「飯田先生って、福々しい恵比須顔なので、こうしてお話するだけでも、ご利益をいただけそうです~!!」と、褒められた(?)ことがあるのですが・・・「恵比須顔」って、要するに、「丸々と太ってますね~」という意味なのではと、喜びも半分でしたよ(笑)。




 本殿での参拝を終えた方々のうち、ご商売をなさっている方々が進む定番コースが、これ・・・

(ちなみに、国語的には、「参詣」は寺社を訪れること、「参拝」は神様・仏様に拝むこととして、使い分けられます)

 まずは、左手に見える「授与所」を訪れ、3500円也を「奉納」(「支払い」ではありません)して、「吉兆笹」(きっちょうささ = 福をもたらしてくれる笹の枝)を、ありがたく「拝受」(「購入」ではありません)。




 吉兆笹授与所の後方には、巫女(みこ)さんが「神楽」(かぐら)を舞ってくださる、風雅きわまる姿が・・・

 誠に、めでたく、ありがたいことですねぇ!! \(^o^)/




 吉兆笹を入手したら、右手にある別の授与所に移動し、個別に決められた一定金額を奉納して、多種多様な縁起物(えんぎもの)を拝受します。(個別の金額については、うっかりして、調査し忘れました・・・涙)

 欲しい縁起物を、いくつでも選んで、巫女さんの1人に頼めば、ひとつひとつ、手で笹に結んでいただけるという仕組み・・・「どの巫女さんに、お願いしようかなぁ」と、お好みの巫女さんを選ぶのも、(特に男性にとっては?)楽しみのうちなのだそうですよ(笑)。

 なるほど、ジロジロと見回してみると、ビックリするほど愛らしい美人ぞろいなので、どの巫女さんにお願いすべきか、大いに悩みそうですねぇ・・・神様の前で、これほど低俗な悩みを抱いてしまうのは、お叱りを受けそうですが・・・きっと、庶民的で太っ腹な「えべっさん」ならば、「その悩み、大いに楽しんでよろしい!!」と、笑顔で許してくださるのでは?(笑)

(それにしても・・・巫女さんの衣装を身にまとえば、どの女の子も、めちゃ可愛らしく見えるので、本当に不思議です・・・)




 ちなみに、「縁起物」を詳しく観察すると、「千両箱」、「大判小判」、「金蔵」(かなぐら)、「大宝」、「福俵」、「福輪」、「福鯛」、「宝来」(ほうらい)、「駒札」、「福熊手」、「福箕」(ふくみの)、「小槌」(こづち)、「宝船」、「福鈴」など、選び放題!!




 つい、「あれも、これも」と、枝が折れてしまうほど、たくさん結んでしまいそうですが・・・かなりの奉納金を献じても、「吉兆笹」&「縁起物」のダブル効果により、百万倍の収益金として返ってくるならば、経営者としては安いものなのでしょうね(笑)。

 さあ、あなたなら、どれを、どれだけ選んで、笹に結びますか?

 私ならば・・・「千両箱」「大判小判」「金蔵」「(打ち出の)小槌」でしょうか・・・こう並べてみると、見た目の美しさよりも、ひたすら、実利(現金)優先主義ですねぇ(笑)。(オマケとして、赤くて可愛い「鯛」も、ぶら下げたいところですが・・・)






 さらに、「吉兆笹を上回る、絶大なご利益を頂戴したい」と願う御方には・・・大量の「福」を、強引にかき集めてくれる、大型の「福熊手」コレクションがオススメ!!

 ただし、かき集めてくれる「福」の大きさは、「福熊手の金額」ではなく、あなたが普段から抱いている「信心深さ」に比例するわけですから・・・年に一度だけ、大金を投じて大型の福熊手を入手しても、ふだん神様など信じていないのでは、ご利益(お金)は集まって来ないでしょうねぇ(断言)。




 参詣を終え、境内から出た我々は、近くの和食店に入り、名物の「おでん」を発注・・・この近辺には、なぜか、「おでん屋」さんが多いんですよ。うま味が芯までしみ込んだ、「全盛り」の7種類は、それぞれに美味しくて、もう大満足!!

 なお、写真の「おでん全盛り」は・・・「牛すじが苦手なので、ほかの何かに変更できませんか?」とお願いしてみたら、「大根」に変えてくださいました。




 露店街を歩きながら、大いに目を引かれたのが、子どもたちが歓声を上げる、「大衆遊技場」の繁盛ぶり・・・

 あの「ミッキーマウス」にソックリな絵も描かれていますが・・・もちろん、ディズニー社の正式な許可を得ていることは、間違いありませんよ!!




 昔なつかしい、「かるめ焼き」や「みるくせんべい」を発見して、興味シンシンの私・・・

 しかし、ちょうど、月に一度の「血糖値検査」の直前にあたり、「その場しのぎの一時的なカロリー調整」の最中であるため(涙)、余計な糖分の摂取は、泣く泣く断念!! ( >_< )




 さて、本日、私が最も注目し、経営学者として深く感心せざるを得なかったのが、この素晴らしい宣伝文句・・・

 確かに、「老若男女 御愛用の店」と明記してあれば、誰でも安心しきって、「いか焼き」を購入できますよねぇ!!

(^-^)




 ・・・というわけで、読者の皆さまも、私と一緒に「ゑびす神社」に参詣し、「思わぬ大金を頂戴したい」と、祈願していただけましたよね?

 うっかり、「祈願」を忘れた御方は・・・

 上記の「吉兆笹授与所」の写真の右側に写っている、「本殿」に向かってパンパンと手を打ちながら、「
どこからともなく、正体不明の大金が転がり込んで来ますように!!」と、(小声でも結構ですから)きちんと言葉にして、ご祈願くださいね。太っ腹な「えべっさん」のことですから、今からお願いしても、「のこり福」くらいなら(笑)、分けてくださるに違いありませんよ!!

 
(^ー°)

(とはいえ、神様を信じていない人のところには、わずか1円でさえも、転がり込んで来ないはずですが・・・笑)